■正GK不在の横浜FCを今季初出場の市川が救う
J2リーグ第28節、7月24日には、横浜FCが東京ヴェルディと対戦した。東京Vは水曜日に天皇杯4回戦を消化しており、中3日の日程となる。
18節から10試合負けなしの横浜FCは、GKスベンド・ブローダーセン、第2GKの六反勇治がメンバー外だった。代わって出場した市川暉記が、勝利を呼び込むビッグセーブを見せる。
73分、ペナルティエリア右から東京V・MF新井瑞希が放った右足シュートを、右手で弾き出したのだ。今シーズン初出場となった23歳のビッグセーブは、77分の決勝弾につながる。MFハイネルが蹴った左CKを、ファーサイドのDF岩武克弥が頭でプッシュしたのだ。
横浜FCの選手と東京VのGKが混戦のなかで交錯し、その背後で岩武が押し込んでいる。東京V側からすると納得できない失点となったが、結果的にこれが決勝点となった。
試合後のフラッシュインタビューに応じた岩武は、「気持ちで押し込んだというか。魂ですね」と笑みをこぼした。長谷川竜也の不在でゲームキャプテンを任された岩武は、26節の徳島ヴォルティス戦に次いで自身2ゴール目だ。
主力を欠いたチーム編成での勝利を、四方田修平監督も評価した。「出た選手がいいプレーをしてくれたおかげで、チームとしてもこういう結果が出ればムードも高まりますし、厚みも出てくる」
勝点を57とした横浜FCは、新潟に3差、仙台に6差をつけて首位に立った。J1自動昇格の一般的な目安は、試合数の倍の勝点と言われる。28試合で勝点57は昇格ラインをクリアしているが、四方田監督は「まだ先は長いので、しっかり気を引き締めて、目の前の試合を戦うスタンスを変えずにやっていきたい」と語る。目の前の試合に一喜一憂しない指揮官のスタンスが、ブレのない戦いにつながっている。