■野津田とモドリッチの共通点

 そんな野津田について、坪井さんは「タイプ的にはモドリッチなのかな」とレアル・マドリードのMFの名前を出してさらに深く分析。この両者には、前述したパス出し後の動きに共通点があるという。


「2人はパスを出した後にもう1度ボールをもらいに行くだけではなくて、前に行く動きが特徴的ですね。
 
 味方をサポートすると言っても、その種類はたくさんあるんです。セルジ・サンペールセルヒオ・ブスケッツ(バルセロナ)、カゼミーロ(レアル・マドリード)のように、前線やサイドのボールに対してボール保持者の斜め後ろに立って前向きで受けるタイプの中盤もいます。

 でも野津田選手やモドリッチは、パスを出した後にボール保持者を追い越して前に行きボールを受けたり、いた場所から離れて別のスペースに顔を出し、ボールを受けるんです。この動きに対して、野津田選手をマークする選手がついて来なければ、もう一度、野津田選手が受ければいいわけです。

 逆に、その動きに相手選手がついて来れば、中国の守備組織にズレが生まれますよね。野津田選手がさっきまでいた場所にスペースができるんです。中国戦で言うと、脇坂泰斗選手や橋本拳人選手が、野津田選手が開けた場所でパスを受けられていましたね」

 レフティモンスターの異名を持ち、左足による精密で強力なキックが注目されがちな野津田。しかし、坪井さんが分析するように、中国戦ではゲームメイクとパス&ゴーによる機動力で違いを生み出していた。優勝がかかる7月27日の対韓国戦(豊田スタジアム)でも、この28歳MFの活躍に期待したい。

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