■課題だけではなく、収穫も見つかる
ただ、見つかったのは課題だけではない。
ミドルプレスを主体としていた川崎とは異なり、浦和は思い切ってハイプレスを敢行。選択肢を限定しつつ人をつかまえて自由なビルドアップを防いでいた。実際、敵陣で奪ってから数回チャンスを迎えており、それを決めていればまた違った展開になった可能性もある。
何度か陣形をひっくり返されて致命的なシーンを迎えたが、このレベルの相手なのでそれは仕方ないだろう。最初の45分間、狙い通りの形から得点を許さなかったことは大きな収穫だ。
それでも、実際にピッチで戦った選手は力量不足を感じている。
「こうやって負けて、みんながすがすがしい思いでいるということはまだまだ大きな差があるということ」とは、試合後の酒井宏樹のコメント。かつてマルセイユにてPSGと何度か戦った日本代表DFの言葉には、説得力が十二分にある。
浦和は世界最高峰のクラブとの試合で感じた「差」をどこまで縮められるのか。また、新たに見つかった課題をどこまで改善できるか。その答えの第一段階が見られるのは、7月30日に行われるJ1第23節になるだろう。この試合では、同じくPSGに敗れた川崎と相まみえることになっている。
残り1週間でチームの完成度を高めて、赤い悪魔はJ1王者を食いにかかる。