1964年の欧州選手権で優勝して以来、ワールドカップやEUROで優勝したことがなかったスペインはこの準々決勝でイタリアとスコアレスドローの末にPK戦で勝利(GKはイケル・カシージャスとジャンルイジ・ブッフォンでした)。これで自信を深めたスペインはそのまま勝ち進んで、決勝ではフェルナンド・トーレスのゴールでドイツを破って、1964年の欧州選手権以来初めて大きな国際大会で優勝することになります。

■記者を苦しめる物価高

 準々決勝4試合が終わると、準決勝までは中2日の休養日があったので、これで一息つけます。その間は、ウィーンからすぐ目と鼻の先にあるスロバキアの首都ブラティスラバで宿泊して英気を養って、25日と26日の準決勝でバーゼル、ウィーンをもう1往復しました。

 わざわざブラティスラバまで行ったのは、なにしろオーストリアとスイスは物価が超高い国だったので、食事といっても駅でケバブかソーセージをかじるくらいで、滅多にテーブルに座って食事をすることもなかったからです。その点、物価の安いブラティスラバでは贅沢をさせていただきました(ブラティスラバ滞在については「蹴球放浪記」第24回を「ビールを飲むために国境を越える」の巻を参照)。

  1. 1
  2. 2
  3. 3