後藤健生の「蹴球放浪記」第120回「バーゼルとウィーンを3往復」の巻(2)準決勝前の休養日、「第三国」への脱出の画像
EURO2008決勝戦の入場券。やっとたどり着いた決勝の舞台はウィーン 提供/後藤健生

 サッカー取材に移動はつきものだ。蹴球放浪家・後藤健生は現在、茨城と愛知の試合会場を往復している。大変そうに思えるが、上には上があるもの。2008年の2国間の往復に比べれば…。

■500キロの長旅

 スイス最大の会場がバーゼルのザンクトヤコブ・パルク。そして、オーストリア最大のスタジアムがウィーンのエルンスト・ハッペルシュタディオンだったので、準々決勝以降はすべてこの2会場で行われたのです。

 地図を見ればお分かりのようにバーゼルはスイスの北西の端。ドイツとの国境の町です。一方、オーストリアの首都ウィーンはオーストリアの東の端にあるのです。直線距離で500キロくらいです。そして、大会のADカードを持っていれば鉄道は無料で乗車できますから(寝台料金は別)、なるべく鉄道を使って往復します。

 6月18日にオーストリア西部のインスブルックでグループリーグのロシア対スウェーデンを観戦して同地泊。翌19日にはインスブルックから鉄道でバーゼルに向かって夕方には到着して準々決勝のポルトガル対ドイツを観戦。その夜は夜行列車でウィーンに向かって20日はクロアチア対トルコを観戦。さすがに夜行が続くのはきついのでウィーンに泊まって21日は飛行機で再びバーゼルに戻ってオランダ対ロシア。再び夜行でウィーンに戻ってスペイン対イタリアを観戦……。

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