■「ナイス玖生!」

 梶浦だけでなく、押される展開になった東京が踏みとどまることができた一因は中盤の選手たちの奮闘だった。チームとしてボールを保持して試合を進めることは出来なくなってしまったが、勝利のために個人でやれることをやめることはなかった。

上原力也と競り合う松木玖生 FC東京vsジュビロ磐田(20220717) 撮影/原壮史

 安部柊斗は縦横無尽にボールに食らいつき、カウンターのチャンスでは最前線に飛び出してファウルで止められる場面もあった。

 松木玖生は、貪欲にゴールへ向かう姿勢を保ち続けながら中盤で体を張る、ということを続けていたが、決してスマートさを失わなかった。コーナーキックを三浦龍輝にキャッチされた際にはポジションに戻るのではなく三浦の目の前に立ち止まることを選択。素早いリスタートを防いでみせたその貢献にベンチの波多野豪から「ナイス玖生!」の大声が飛び、それを受けてサポーターからも拍手が巻き起こった。

 上手くいかない流れになっている中で、彼ら中盤の奮闘が光った後半となった。

PHOTO GALLERY FC東京vsジュビロ磐田(20220717)
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