試合後、サポーターへの挨拶を終えると、ゴールキーパーのヤクブ・スウォビィクが1人の選手を抱き寄せて褒め称えた。少しはにかんで祝福を受けたのは梶浦勇輝だ。
序盤に幸先よく2点を得た東京は、前半を通じてボールを持ち、試合を支配することができていた。しかし、一方的だった前半の展開からくる余裕か、あるいは蒸し暑いピッチによる体力的な事情か、後半はボールを回すよりも受けに回る場面が目立つようになり、前半とは逆の構図で磐田が繰り返し決定機を迎えることになった。
しかし、スウォビィクの好守と磐田の決定力不足により、スコアは2-0のまま終盤へ。梶浦はそんな81分に東慶悟と交代でピッチに入った。
磐田が猛反撃を続ける中、梶浦は自陣ゴール前の混戦の中でスウォビィクの後ろに入ってカバーしたり、強烈なシュートのコース上に入りこんでブロックしたりと勝利への執念を感じさせるプレーで存在感を発揮。苦しい時間帯に見せたそのプレーに守護神の頬も緩んだ。