■ドイツ、スペイン戦でチャンスを作れそうなのは「キックオフ直後」
カタールW杯のグループステージでは、ドイツ、スペインという世界屈指の強豪国と戦うことになる日本。その2か国から勝ち点を奪うためには――やはりどうしても守備的な戦い方にならざるを得ないようだ。
「ドイツ戦とスペイン戦は、基本的には6月の国際親善試合のブラジル戦のような展開になると思います。ボールを自由につながせてもらえず、守備では引き気味になると予想しています。というのも、ヨーロッパのチームは、守備ではハイプレスもできて引いてからのカウンターもできて、攻撃ではショートパスをつなげてロングボールで一気に攻めることもでき、戦い方が多彩ですから簡単にイニシアティブを持たせてくれません。
今の日本代表選手が所属しているリーグを見ると、スペイン代表やドイツ代表と比べてどうしても格下にならざるを得ないと思います。そのなかで勝ちや勝ち点獲得を目指すのであれば、劣勢の中でしっかりと守備をこなした上でのカウンターアタックを起点としたフィニッシュ、それに加えてセットプレーがメインになると思います」
それでも、キックオフ直後には得点機を迎えられる可能性があるという。坪井さんはスペインでの指導経験を元にこう語る。
「ただ、試合の立ち上がりにはチャンスがあるかもしれないですね。日本人には“速さ”という特徴があって、ヨーロッパの人には『速いな』って見えるんですよ。僕もスペインにいるときに日本のチームと対戦した際、そう思いました。試合開始直後は、『よく走ってすばしっこいし、ポジションチェンジするし、付いて行けない』みたいな。それは時間経過ととも徐々に慣れてくるものですが」
圧倒的劣勢が予想されるW杯本戦でのドイツ戦とスペイン戦。しかし、まだ相手が様子を見ている試合序盤で一気に素早い攻撃を仕掛けて、それによって先制点を奪うことができれば、日本にとってこれ以上ない理想の展開になりそうだ。
サッカー批評WEBでは、坪井さんにE-1選手権でのサッカー日本代表の試合分析をしていただく予定です。ぜひお読みください。