後藤健生の「蹴球放浪記」第119回「ワールドカップ取材申請争奪戦」の巻(1)日本代表の代わりに「出場」の画像
JFAで簡単に手に入れたメキシコ大会のADカード 提供/後藤健生

 ワールドカップは選手にとって、大きな目標を懸けて戦う舞台である。蹴球放浪家・後藤健生にとっても、決して負けられない大会だ。ワールドカップに出られるかどうか、ジャーナリストたちも戦いを繰り広げている。

■ワールドカップ・イヤーの戦い

 4年に一度のワールドカップ・イヤー。世界中の一流選手たちが「世界一」を目指して激しい戦いを繰り広げます。

 そして、ワールドカップ・イヤーにはもう一つの戦いも繰り広げられるのです。ワールドカップ取材のADカードをめぐる、フリーランス記者およびカメラマンの戦いです。

 ワールドカップで取材をするためにはFIFAが発行するADカードを手に入れる必要があります。これがないと記者席やメディアセンターなどに入ることができません(記者席に座るためには、ADカード以外に試合ごとの入場券も必要になります)。

 しかし、ワールドカップを取材したい記者やカメラマンは世界中に数多くいるわけで、希望したからといって、すぐに手に入れることができるわけではなりません。

 まずFIFAが各国サッカー協会(日本であれば、公益財団法人日本サッカー協会=JFA)にADカードの枚数を割り当てます。そして、各国協会がそれぞれの基準に従って分配するのです。

 日本の場合であれば、JFAはFIFAから割り当てられた枠を記者クラブ(新聞社)、雑誌協会、そしてフリーランスに割り当てます。新聞社の中ではそれぞれの社内で特定のサッカー担当記者に割り当てられるのですが、フリーランスの場合には過去の取材実績などに基づいてJFAが割り当てるので、そこで激しい競争が生じるというわけです。

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