【日本代表考察】イングランドとフランス、日本だけが成し遂げている「偉業」【2種類のワールドカップで上位を狙う「フットボール・ネーション」日本】(2)の画像
当然になったワールドカップ出場だが、初出場はラグビーが先だった 撮影:渡辺航滋

 日本代表の動向に、ファンは一喜一憂する。サッカーと、ラグビー。どちらの日本代表も、世界で上位をうかがうまでに成長してきた。この希有な「フットボール」の両立を、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■ラグビーとサッカーに共通する目標

 ラグビーも、サッカーも、ワールドカップでは最初の目標はグループリーグ突破であり、そして“大きな目標”は「その先」ということになる。

 なぜなら、日本はサッカーもラグビーも、ともに前回のワールドカップ(2018年のサッカーのワールドカップ・ロシア大会、2019年のラグビー・ワールドカップ日本大会)でともに決勝ラウンド(サッカーの場合はラウンド16、ラグビーの場合は準々決勝に進出することに成功し、そして同じようにその初戦(サッカーはベルギー、ラグビーは南アフリカ)で敗退してしまったのだ。

 つまり、ラグビーも、サッカーも、現在、まさに同じ目標(ワールドカップ決勝ラウンドの初戦と突破すること)を目指して戦っているのである。

 もっとも、初戦で敗れたのだとしても、グループリーグ突破自体が大きく評価されるべきことだ。

 ラグビーの場合、「ティア1」と呼ばれる10か国以外の国が準々決勝に進むこと自体とても珍しいことなのだ。

 一方、サッカーの方は国際的な普及度の違いもあるし、そもそもラグビーに比べて番狂わせが起こりやすい競技なので、多くの国がグループリーグ突破を果たしているが、日本代表の場合は21世紀に入ってから開かれた5回のワールドカップのうち3回でラウンド16に進出しており、これは大いに評価されてよい実績だ。

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