■喜べなかった「W杯初出場」

 さて、ラグビーのワールドカップが初めて開催されたのは1987年のこと。1930年に第1回大会が行われたサッカーよりも半世紀も後のことなのである。

 そして、日本代表はこの第1回大会から、すべての大会に出場している。当時のサッカー・ファンにとっては、これは“許されざるべき”ことだった。

 サッカーの場合、日本代表は1954年のワールドカップ・スイス大会の予選に初めて挑んでから(韓国相手に1分1敗で敗退)、何度もワールドカップ予選に挑戦してきたが、一度も予選を突破して本大会に出場することができていなかった。

 日本のサッカー界にとって、本当の目標はオリンピック出場であり、ワールドカップ予選はむしろオリンピック予選の準備(強化)のための大会だった時代はあるにしても、日本サッカーにとってワールドカップ出場は“夢のまた夢”だった。

(3)へ続く
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