■守備面は懸念材料となり得るか

 懸念材料があるとすれば、守備面だろうか?

 今季最多の5ゴールを奪った清水戦でも3失点している。とくに、5対2の大量リードで迎えた最終盤の90+6分に単純なロングクロスから失点してしまった。明らかに集中を欠いていたとしか言いようがないだろう。

 もちろん、横浜FMはポステコグルー監督の時代から超攻撃的なチームを作り上げてきた。両サイドバックが同時に相手陣内深くまで攻め上がるのだ。

 もちろん、それによって攻撃力は厚みを増すし(清水戦でもサイドバックの永戸勝也が2ゴールに絡んでいる)、相手にボールを奪われても相手陣内深くに多数の選手が配置されているので、すぐにボールを奪い返して二次攻撃、三次攻撃につなげることもできる。

 従って、サイドバックが攻め上がるからといって、すぐに守備に穴が開くわけではないし、「リスクを冒してでも攻撃に行く」というのがチームのコンセプトなのだからいたし方ないところなのだが、相手によって対策を立てて試合を進めることのうまい監督が多いJリーグでは、当然、相手チームは横浜FMのサイドバックが攻め上がったところを衝いてくる。

 サイドバックの背後のスペースを利用され、そこをカバーするためにセンターバックが引き出されれば、当然リスクは高くなる。

(4)へ続く
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