■大胆なシステム変更、そして土壇場のPK弾
1点ビハインドの浦和は、ハーフタイムに3枚替えを敢行する。小泉に代えてダヴィド・モーベルグ、宮本優太に代えて酒井宏樹、柴戸海に代えて平野佑一を投入した。
試合は前半と変わらず浦和が保持する展開でスタート。一方のG大阪は中2日という過密日程と暑さによる疲労が蓄積されていたのか、はたまた1-0のリードも影響したのか、プレッシングをやや抑えめに設定する。これによって浦和は押し込む時間帯が増え、全体のラインが押し上がったことによって奪われたあとの即時奪回が可能に。自分たちのペースで時計の針を進めていった。
ロドリゲス監督はこの好機を逃すまいと、大胆な戦術変更に出る。68分、DFの岩波拓也を下げてMFの松尾佑介をピッチへ送り出し、システムも変更した。
DF陣は右から酒井、アレクサンダー・ショルツ、大畑歩夢。CHは岩尾憲と平野、2列目は右からモーベルグ、江坂任、大久保智明、そして最前線に明本考浩と松尾を置く。強引に数字で表すと3-2-3-2。ボール保持時には3バックの両端を務める酒井と大畑が高い位置を取り、後方はショルツと下がってくる岩尾(平野)の2枚だけになるという、超攻撃的なシステム変更を実行した。
しかし、その後も攻め込んでいくものの、ラスト30mでなかなか違いを作り出せない。そのまま試合は終盤に差し掛かった。このままホームチームが勝つかと思われていた矢先、途中出場の松尾がペナルティエリア右に侵入し、素早い切り返しで三浦を翻弄。切れ味鋭い切り返しによってファウルを誘い、PKを獲得した。
これをショルツが決め、92分に浦和が追いつく。前節ヴィッセル神戸戦の90分に決まったモーベルグによるFKと同じように、土壇場でセットプレー弾が決まった。
その後スコアは動かず、1-1で試合終了。リーグ2連勝を目指したG大阪、3連勝を目指した浦和による対決は痛み分けという形で終わっている。