■「決勝戦のような気持ちでぶつかった」
5分のアディショナルタイムを経て、2対0のままホイッスルが鳴り響く。テクニカルエリアで戦況を見つめていた四方田修平監督は、渾身のガッツポーズで喜びを表わした。
「後半戦の最初の2試合、僕たちは3位で、2位(のベガルタ仙台)と1位との直接対決を決勝戦のような気持ちでぶつかっていくしかないと思っていた。終わってみたら、まだ19試合あって最大で57ポイントを取り切れるというところでは、まだまだ分からないと思っている。また地道に(次の試合へ向けた)1週間を全力でぶつかっていくことに立ち返っていきたい」
仙台、新潟を撃破したからといって、何かを得たわけではない。後半戦は始まったばかりだ。だからこそ、四方田監督は次の試合へ向けて「地道に」準備をしていく作業に「立ち返る」のだろう。
それでも、直接対決での連勝は価値がある。
長谷川は落ち着いた口調で話す。キャプテンは2アシストを記録した。
「今日は暑かったし、湿度も高くて、自分たちの思いどおりいく時間が短かった。そのなかで勝てたのは、チームとしての我慢強さとか、(前回の敗戦と)同じことを繰り返さない成長が見られたので、それは良かったかなと思います」
小川もポジティブな言葉をつなぐ。
「この試合にかける思いはすごく強いものがありましたし、この2連戦は今後を占うというか、カギになる連戦だった。何かひとつ殻を破れたんじゃないかという、チームとしても手ごたえはあります」
小川が得点を決めた試合は、9勝2分と負けなしだ。小川自身は3戦連発の14ゴールである。エースのゴールで勝点を積み上げていったシーズン序盤の戦いぶりを、横浜FCは取り戻した。