■日本で行われるはずだったテスト

 このシステムは2020年に開発され、過去2年間テストを繰り返してきた。最も大きな舞台でのテストは、ことし2月にUAEで開催されたFIFAクラブワールドカップ(本来は昨年12月に日本サッカー協会の創立百周年を記念して日本で開催される予定だった)。全8試合で使用され、上々の結果だったという。

 FIFAはテストを重ねてことしのワールドカップに間に合わせる予定だったが、コロナ禍でたくさんの大会が中止され、FIFAクラブワールドカップ以外でテストが行われたのは、いくつかの国のユースレベルの大会に過ぎなかった。その結果、もう少しテスト結果の分析が必要だということで、6月13日のIFAB年次総会では採用決定が見送られたという経緯がある。

 「私はこのシステムは使えると確信している。いま求められているのは、正確さとともに、より速く、より受け入れられる判定である。これまでのテストでは、SAOTが十分にそれを実現したのが確認されている」と、FIFA審判委員長のピエールルイジ・コリーナは語り、ワールドカップでの使用に期待を寄せている。

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