【サッカー日本代表「W杯への衝撃」】ドイツ、スペイン相手に勝点を取るために――「リスタートとカウンター」久保建英・鎌田大地らの「最適解」とは?【ワールドカップメンバー「当落リスト」】(2)の画像
久保建英   撮影/原壮史
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■原口、鎌田、柴崎はインサイドハーフが最適解なのか?

 サッカー日本代表6月シリーズ、中盤では原口元気鎌田大地が、インサイドハーフで起用された。そもそものプレースタイルの違いから、守田英正田中碧に比べると攻撃的になる。

 鎌田はチュニジア戦の前半に、決定機を逃した。それでも、パラグアイ戦のヘディングシュートと同じように、右サイドからの崩しに呼応してゴール前へ侵入しているのは、インサイドハーフで起用されている意味をプレーで表現したものだ。

 気になるのは、遠藤の負担だろうか。遠藤、守田、田中の3人が流動的にポジションチェンジをしていくのに比べると、鎌田と原口とのトライアングルではアンカー専従の傾向が強い。それが悪いとは言わないが、ブラジル戦やチュニジア戦では激しいプレスを浴びた。遠藤、守田、田中の組合せのほうが、相手にプレスの的を絞らせにくいところがあるかもしれない。

 柴崎岳久保建英も、インサイドハーフでテストされた。柴崎はそつなく対応した印象を与えるが、インサイドハーフで持っているものをすべて出し切ったかと言えば、率直に言って疑問符が付く。

 実は鎌田や原口にも、同じことが言える。インサイドハーフでも頑張っている。ハードワークしている。しかし、彼らを起用する際の最適解とは言い切れない。

 久保はガーナ戦で右インサイドハーフに入り、代表初ゴールをマークした。そもそも彼は、周りを生かしながら自らも生きるタイプである。インサイドハーフにも対応できるが、そのスキルはゴールに近い位置で生かしたい。

 森保一監督のチームは、ゴールを直接狙える位置でのFKが少ない。相手に反則で止められてFKを獲得することの多い久保を、インサイドハーフよりウイングで起用したい理由のひとつだ。

 ペナルティエリア周辺でパスを受ければ、守備側を受け身にさせることができる。東京五輪の南アフリカ戦で、ペナルティーエリア右サイドで受け、ドリブルから決めてみせたような一発が期待でき、ファウルで潰されても直接FKからゴールを狙える。森保監督のチームにFKからの得点が少ないのは、そもそも狙う機会が少ないからでもあるのだ。

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