■疲れが見えていた日本のキープレーヤー

後藤「板倉がボランチとしてどれほど素晴らしいかは、オフサイドで取り消された南野拓実の“幻のゴール”の場面を見れば歴然としているよね。あの直前にも、前に出ながら良いパスを通していて、これは使えるなと思った。板倉のボランチ起用は、これからやっていく価値がある方法のひとつだよね」

大住「板倉はあれだけ能力があるわけだから、遠藤と並べるという手もあると思う。冨安健洋がいて出られないというならば、しょうがないんだけど」

後藤「冨安が元気に出られるなら、板倉をアンカーにして、遠藤を休ませられるかもしれない。今回、遠藤が良くなかった理由のひとつが、このシリーズの4試合すべてに出てプレータイムが長くなり、かなり疲れていたからなのは間違いない。遠藤は去年の東京オリンピック以降、休んでいないんだから」

大住「しかもクラブでは1部残留争いをしていたしね。中盤の構成は、アンカーが遠藤でインサイドハーフが2人と予選では固まって、実際に機能していたと思うけど、ワールドカップに向かってもうひとつ何か考えないといけない。遠藤と板倉を並べて中盤の底に置いて、その前にトップ下じゃなくて、守備もするインサイドハーフみたいな役の選手を置く三角形にしたら、バランスが変わって違う強さも出ると思うけど。そういう変更を自然にできるといいんだよね。チュニジア戦の後半から入った田中は、そういう形をつくるポジションを取っていたけど」

後藤「田中はチュニジア戦で、価値を一番見せつけた選手だよね。彼が右へ左へと自由にポジションを変えて、相手がこないところでボールを受けて、1タッチでさばく良いプレーをしていた」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4