■4試合目でチュニジアに完敗。ということは…
日本代表の6月シリーズが、 14日のチュニジア戦で終了した。
結果は分かりやすい。
W杯南米予選で敗退したパラグアイには、4対1で快勝した。W杯に出場するもののベストメンバーで来日しなかったガーナにも、同じスコアで勝利した。コンビネーションからの得点があり、「個」の輝きがもたらしたゴールもあった。
カタールワールドカップへの準備として来日したブラジルとチュニジアには、厳しい現実を突きつけられた。ブラジル戦はスコアこそ0対1だったものの、内容的には力の差を見せつけられた。最少得点差で収まったのは、テストマッチだったからに他ならない。
チュニジアには0対3で敗れた。前半につかんだ先制機を逃して試合を難しくし、自分たちのミスで試合を壊してしまった。フィジカルに恵まれた選手がしっかりとした技術を発揮し、勝負どころを逃さないチュニジアは、日本を事細かに分析してもいた。4試合目でチュニジアに完敗した事実に、W杯のグループステージ突破後のラウンド16が重なる思いがした。
結果はそのまま自分たちの実力として受け止めるべきだ。
同時に、考慮すべき材料もある。
今回の4連戦は、アジア最終予選後初めての活動であり、カタールW杯前最後のテストの機会でもあった。9月に2試合のテストマッチを残すが、思い切ったトライができるのはこのタイミングしかない。
果たして、森保一監督は試合ごとに選手を大幅に入れ替えていった。それによって、コンビネーションを欠いたところはあっただろう。GKシュミット・ダニエルとCBの板倉滉、それに吉田麻也がボールの処理を譲り合ったチュニジア戦の2失点目は、お互いの責任範囲が曖昧だったことに起因する。3人が同時にピッチに立ったのは、この試合が始めてだったのだ。