6月14日、キリンカップサッカー2022でチュニジア代表と対戦した日本代表。結果は0-3と完敗に終わったが、そのなかでも三笘薫と伊東純也はその価値を再び証明。2人の強みと「サッカーの原理」から導かれるドリブラーの特長とは。
■「対策」を超えた存在
昨今、世界のサッカー界ではテクノロジーの進歩が著しい。それによって戦術の研究が進み、新たな戦い方を実行しても、その戦術は3か月後には淘汰され、すぐに「対策の対策」が必要になる時代だ。
そんななか、スーパーなドリブラーという存在は論理的に抑え込むのが難しく、対策らしい対策は困難だ。代表格は元オランダ代表FWのアリエン・ロッベン。代名詞であるカットインからのシュートは「分かっていても止められない」。
さすがに同等のクオリティはないものの、日本代表では三笘薫と伊東純也がロッベンのような存在にあたる。あくまでも現段階での話だが、この2人も対策を超えた存在だ。三笘はタッチライン際からのドリブルを他の試合で見せているにもかかわらず、毎試合のように成功させる。
伊東に至っては、高い位置でボールを持った時の突破コースは9割以上が縦。単独でのカットインは少なからず代表では滅多にしていない。内側への持ち込みを匂わせるフェイントも少なく、もはや「縦に突破すると見せかけて縦に突破」している。しかし止められない。その証拠に、アジア最終予選から今回のチュニジア戦まで、何度も縦突破からクロスを上げている。
「分かっていても止められない」伊東と三笘のドリブルは、戦術や対策を超えた最強の武器だ。