■事態を飲み込めなかったオージー

 だがほとんど眠っていたようなイランが突然牙をむく。後半31分、右からアジジが攻め込み、いったんはタックルに倒れたが、フォローしたエブラヒム・タハミが拾い、アジジにパス、アジジのクロスをカリム・バゲリがけり込んで1点を返す。そしてたたみかけるように4分後、アリ・ダエイのパスからアジジが抜け出し、右隅に決めてイランが2-2の同点としてしまったのだ。

 そして試合はそのまま2-2で終了。歓喜するイランの選手たちを、メルボルンの観客は不思議そうな顔をして見ていた。スタンドの観客の大半は、延長戦が行われると考えていた。「アウェーゴールルール」という勝負の決定方法を、メルボルンの観客は知らなかったのだ。この試合は、日本でいえば1993年の「ドーハの悲劇」のような試合だった。オーストラリアがワールドカップへの2回目の出場を果たすのは、大陸間プレーオフに挑戦し始めて5大会目、2006年大会のプレーオフでウルグアイと1勝1敗で迎えた第2戦の延長戦後、PK戦で4-2の勝利をつかんだときだった。

(3)へ続く
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