大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第91回「ワールドカップ予選大陸間プレーオフの長い物語」(2) オーストラリアが歩んできた苦難の歴史の画像
日本としのぎを削ってきたオーストラリアは長く苦難の道を歩んできた 撮影:中地拓也

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。サッカージャーナリスト・大住良之が今回つづるのは、「最後の一座へ、地球を半周して」。

■大陸間プレーオフの「常連」

 さて、ワールドカップの大陸間プレーオフは、1958年大会で初めて行われ、1970年代の大会からほぼ継続して2022年まで計13大会行われてきた。今回の2試合を加えると、行われた総数は35試合、かかわった国は23か国となる。

 オーストラリアはその偉大なる「常連」である。13大会のうち、実に7大会で大陸間プレーオフに出場しているのである。無理もない。オーストラリアは2005年までオセアニア・サッカー連盟(OFC)に所属していたからだ。OFCは過去のワールドカップで単独の出場枠を与えられたことはこれまでにいちどもなく、かつてはアジアと同組になり、近年では0.5枠を与えられて大陸間プレーオフを勝ち抜かなければ出場権を得られなかったからだ。

 実際、オーストリアの「7回」のうち、OFCに所属していた時代のものが5回(1986、1994、1998、2002、2006)もある。2006年にアジアサッカー連盟(AFC)に移籍してからの大陸間プレーオフ出場は、2018年と今回の2大会。ちなみに大陸間プレーオフ出場回数2位はニュージーランドとウルグアイの4回で、ニュージーランドはオーストラリアがOFCから転籍した後の4大会に連続して出場している。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4