この試合はU-23アジアカップでの試合のように「完勝」と言う内容ではなかった。韓国にも決定機はあったが、日本の守備陣がよく耐えて、効率的に得点を積み重ねていった結果としての3対0だった。
■パワーに対して引かなかったCBコンビ
実際、韓国は攻撃力もあるチームだった。
なんといっても脅威だったのはワントップのキム・ミンスンだ。身長が185センチで体重77キロ。しかも、そのパワーは数字以上のものだった。
とくに年代別代表の戦いでは、韓国にはこういう日本にはいないようなパワフルなストライカーを多く見かける。腰回りが大きく、頑丈さを感じさせるのだ。
そして、4-3-3の右のインサイドハーフに入ったキム・ミョンジュンもドリブルでボールを運びながら正確なパスを繰り出せる優れたプレーメーカーであり、さらに右サイドバックのイ・チャンウの縦へのドリブルにも怖さがあった。
この強力な韓国の攻撃陣に対して、日本の守備陣、とくにCBの山田佳と永野修都の2人が大健闘。パワフルなキム・ミンスンに対して体を当て続け、そして、決定機には体を投げ出してスライディングをかけ、シュートコースに入ってブロックし続けた。
前橋育英高校の山田は177センチ、FC東京U-18の永野は180センチ。ともに60キロ台の半ばであり、どちらかといえばフィード能力に長けたテクニカルなタイプのDFなのだ。しかし、彼らは体を張ってプレーして、パワーでかなり上回る相手に対してフィジカル勝負でもけっして負けなかったのだ。
日本の守備陣の頑張りのおかげで、韓国の選手が倒れて「ファウルを取ってくれ」とばかりに主審の顔を見るような場面が増え、時間の経過とともに韓国のパスは雑になっていった。