2つの日本代表の勝利が「画期的」だった理由【変化が見えてきた「日本代表VS韓国代表」の構図】(2)の画像
久保の同僚、イ・ガンインに食らいつく加藤聖 写真:Victor Fraile/アフロ

 カタール・ワールドカップに出場する日本代表が準備を進める一方、年代別の日本代表もそれぞれの目標に向かって踏み出している。この6月には、2つの日本代表が、それぞれの年代別韓国代表と対戦。その戦いぶりには、これまでにない構図が見えてきた。サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■年長のチームを倒したU-21日本代表

 1980年代に入ると、ようやくテクニックのある日本選手が育ってきて、韓国ともある程度互角に戦うことができるようになってきた。そして、1990年にJリーグがスタートしてからは、日韓は互角のライバルとして勝ったり負けたりを繰り返してきた。だが、中盤でのパスの展開などでは明らかに日本が上回るが、フィジカル能力では韓国に敵わず、そして、ストライカーの能力で敗れ去ることが多かったのである。

 そういった過去の歴史を踏まえて今回の日韓戦を見ると、あらゆるポジションで韓国を上回り、しかも、フィジカル能力でも互角以上に戦えたのは画期的と言っていい。

 2019年のUー20ワールドカップでの日韓戦で決勝ゴールを奪われた呉世勲(オ・セフン)も登場したが、日本のCBは彼に仕事をさせなかった。スペインで活躍する、久保建英の同僚である李康仁(イ・ガンイン)に対してもMFやDFが体を当てて続け、そのテクニックを封じることに成功した。

 そして、それをU-21日本代表がやって見せたのである。韓国のメンバーの多くは、3年前のU-20ワールドカップで日本代表を破った時のメンバー、つまりU-23世代だったので、日本は2歳年少のチームだったのだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3