■追い越すだけではない攻撃参加
さらに、伊藤は積極的なインナーラップで攻撃参加。相手選手を引きつけて三笘がカットインするためのスペースを意図的に空けさせていた。
46分に三笘の得点をアシストしたシーンでも、的確なランニングでドリブルのコースを作り出した。
しかも、インサイドレーンを駆け上がって終わりではなく、三笘がカットインし始めてからもボールに関与。狭いエリアでのパスワークによる崩しや裏抜けなども多用し、ガーナ戦でのフィニッシュワークにプラスアルファをもたらした。この一連の動きは、同じく三笘の相方候補であるSBの中山雄太からはあまり見られなかったものである。
サムライブルーが誇るドリブラーに大きなスペースを譲ってその良さを引き出しつつ、自身も崩しに参加するという新境地を見せた伊藤。
その上で守備にも定評があり、空中戦にも強い。また、所属クラブでは3バックの一角を担当しているため、ガーナ戦での終盤にも見られたように、試合途中の3バックシステム変更にも欠かせない存在だ。
果たしてこの23歳のDFは、三笘のパートナーとして定着し、カタール・ワールドカップのメンバーにまで上り詰めることになるのだろうか。