■仙台は「質的優位」を生かせるか

 原崎監督は千葉戦後、「自分たちが主導権を持ってサッカーをやるなかで、相手よりつねにいいポジションを探して動き続けることができなければ、相手のほうがいい状態になってしまう」と話した。

 仙台も徳島も、ボール保持率の高いチームだ。自分たちがボールを握るためには、ボールホルダーをサポートする、フリーランニングでスペースを作る、といったオフ・ザ・ボールの動きで、相手を上回れるかどうかがポイントになる。遠藤康氣田亮真らの「質的優位」を生かすためにも、「数的優位」を生み出したいだろう。そのために、「動き出し」や「動き直し」を再確認していると考えられる。 

 徳島は6試合勝利から遠ざかっており、3試合連続で引分けている。3試合連続で先制しながら追いつかれており、すでに引分けは「12」を数える。

 ここまで20試合で失点はわずか「15」で、リーグ最少を誇る。複数失点は3試合しかない。その一方で、得点は「21」に止まる。相手に取らせないが自分たちも取り切れないというのが、今シーズンの徳島だ。

 局面での攻防では、仙台から見て左サイドに注目したい。ドリブル突破が鋭い氣田に、徳島の新井直人がどのように対応するのか。徳島には川崎フロンターレ清水エスパルスに在籍したエウシーニョが加わっており、右サイドバックに彼を起用し、新井が左サイドバックにまわるオプションもある。しかし、チームが強みとする守備力を発揮することを優先すると、仙台戦は新井の先発が予想される。

 仙台が仕切り直しの一戦で勝利をつかむか。

 ホームの徳島が返り討ちにするのか。

 注目のカードは、6月11日18時キックオフだ。

【その(2)へ】
(2)へ続く
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