■久保ではなく堂安と三笘を起用した理由
久保ではなく堂安、三笘が途中投入されたワケ――それは、身体的な強さ、賢さを備えるブラジルのDFを相手にして、局面を打開する力がどちらが上だったのか、という選択だったと考えられる。フィジカルバランスにも優れた堂安は、守備面でのバランスもとれるはずで、三笘の場合はドリブルという驚異的でオリジナルな武器を試す、という意図からのものだろう。
結果としては、堂安は自陣でボールをロストし、三笘は惜しい場面はあったものの、自身も試合後の会見で「自分がフレッシュな状態で相手DFが疲れている中で対応されてしまい、そこのスピードや強さを感じられた」と語るような事態になったが、それはあくまでも結果としてのこと。
久保ではなく堂安と三笘を起用した理由は、「森保監督が最後まで(シミュレーション上の)勝ち点を取りに行ったから」ということになるのではないだろうか。
アタッカー陣を交代した後の77分に失点。そこからさらに久保を投入する、という選択肢は森保監督の中にはなかった。
久保は、世界トップのブラジルとの親善試合で出場機会はなかった。この現実をどのように受け止めるのか。そして、11月のカタールワールドカップのピッチに、久保建英は立つことができるのかーー。