■難しい状況で見せた「上田らしさ」
評価は難しい。前半の途中から、ゲームは完全にFC東京が支配することとなったからだ。そして、後半の早い時間に3点差となったことで、鹿島アントラーズもいつもの形とは違った形で無理な攻撃を仕掛けることが必要となってしまった。
そうした中で、上田には大きなチャンスはなかなか回ってこなかったのだ。
ただ、そうした中でもディエゴ・オリヴェイラにPKを決められて3点差とされた直後の54分に1点を返したのは上田だったし、この得点場面以来にも上田らしい動きを見せる場面はあった。
まず、得点場面。左サイドでドリブルで運んだアルトゥール・カイキが入れたグラウンダーでのクロスを、投入された直後の和泉竜司が落としたボールを決めたものだが、和泉が落としたボールはゆっくりと上田の前に転がってきた。それにタイミングを合わせるために、右足を大きく振って、スライディング気味に体を倒して、ゆっくりしたボールを十分に引き付けてシュートを撃てた。
これは、まず、上田のシュートの上手さという特徴である。右足でも、左足でも、どんなボールにも合わせられるのが、彼の大きな魅力だ。