■この日のクルトワはスーパーであり続け、最後まで得点を許さなかった
反撃に出るリバプールは65分にディアスをディオゴ・ジョタに替え、72分にはロベルト・フィルミーノも投入。時間とともに精度が落ちてきたレアルの守備を幾度も慌てさせゴールに迫ったが、この日のクルトワはスーパーであり続け、最後まで得点を許さなかった。
9本ものシュートセーブを披露したクルトワがMOMに輝き、レアルが14度目の欧州制覇を成し遂げた。シュート数はリバプールの24本に対しレアルが3本だったが、スコアは0-1。カルロ・アンチェロッティ監督が率いる勝負強すぎるレアルが、数字ではわからない魔法のような強さをこの決勝でも見せた。クルトワは「勝利への欲というものは、こういう日に本当に違いを生むことができるものだ」と振り返った。
指揮官は「私たちは私たちが持つ全てによってこれを達成した」と語ったが、その全ての中には「私たちのクラブの歴史」も含めた。新たな銀河系軍団であるPSGを倒し、世界王者のチェルシーを倒し、イングランドで史上最高レベルのデッドヒートを繰り広げたマンチェスター・シティとリバプールを倒しての優勝。
どれだけ戦術が進化しても、クラブに染み付いた勝負強さ、というものはそれら全てを上回ることができるのかもしれない。
ゴールを決めたヴィニシウスはエンブレムにキスをした。準決勝では、ロドリゴが「このユニフォームを着る時、最後まで戦い続ける、ということを学ぶ」とも語っていた。クラブに染み付いた唯一無二の勝利への欲望による唯一無二の勝負強さは、新たな時代の選手たちにもしっかりと継承されている。
時代がどれだけ変わろうとも、選手や戦い方がどれだけ変わろうとも、レアルはレアルだ。
■試合結果
リバプール 0-1 レアル・マドリード
■得点
59分 ヴィニシウス・ジュニオール(レアル)