■サッカーにとって代えが効かない財産

 こうした状況のすべての原因が、FIFAや欧州サッカー連盟(UEFA)を筆頭にした「サッカー組織」(協会、リーグ、クラブ)の「強欲」なまでに過剰な金銭追求にあるのは間違いない。選手たちは、「お前たちにもたっぷり分け前をやるから」という言葉に踊らされ、ケガや病気をすればうち捨てられる哀れなピエロだ。

 こんな状況に、日本代表を預かる森保一監督がいくら心を痛めても、彼の段階にきたらもう何もできない。自分自身の仕事と責任を真剣に考えれば、「十分なオフを与えられない」という現実に対し、選手たちに頭を下げながら、目をつむるしかないだろう。

 考えなければならないのは「サッカー組織」だ。何よりFIFAとUEFAだ。そして同時に、世界中のサッカーにたずさわる者たちだ。サッカーという競技にとって代えることのできない「財産」があるとすれば、それはプレーヤー以外にはない。そのプレーヤーの権利を踏みにじり、プレーヤーを犠牲にし続けるサッカーに未来はない。

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