■日本とアルゼンチンの地下鉄のつながり

 当時、ブエノスアイレスには凝ったデザインのビル群が建設され、「南米のパリ」と呼ばれていました(今でも、その面影はあちこちに残っています)。

 パリといえば「メトロ」と呼ばれる地下鉄が有名ですが、ブエノスアイレスでも1913年に最初の地下鉄が開業しました。世界でも13番目、南半球では最初の地下鉄だったそうです。日本で最初の地下鉄(上野・浅草間)が開業したのは1927年ですから、それよりずっと昔のことになります。

 つまり、ブエノスアイレスの地下鉄は日本にとっては大先輩のような存在なのですが、その後、地位は逆転。1995年には東京の営団地下鉄(現、東京メトロ)丸ノ内線の中古車両が輸出されました。丸ノ内線の車両は、赤い車体に白のラインのお馴染みの塗装のままブエノスアイレスのB線に導入され、そのまま(あるいは塗装を変えて)今でも走っているようです。そのほか、C線には名古屋市営地下鉄の中古車両も走っています。

(2)へ続く
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