後藤健生の「蹴球放浪記」第112回「SUBEを求めて三千里」の巻(1)ブエノスアイレスと日本の地下鉄「逆転」現象の画像
2011年のコパ・アメリカのADカード 提供/後藤健生

 アメリカの大統領はエアフォースワンで来日し、専用車で移動していたが、外国取材は現地交通機関を使うに限る。現地を肌で知ることができるが、時には思うように進まないこともある。サッカージャーナリスト・後藤健生は、地球の裏側で苦労させられた。

■世界で進む電子決済

「デジタル後進国」と言われる日本でも、ようやくICカードやQRコードなどを使った電子決済が普及してきました。僕自身も、最近は現金(キャッシュ)を使う機会がめっきり減りました。小銭の出し入れといった手間が省けますし、支払いに時間がかからないのでとても便利です。

 もっとも、時々、現金しか使えない店などで、久しぶりに財布や小銭入れを開けてみたらほとんど現金が入っていなくて慌てるなどといったことも起こります。

 また、電子決済は国によって方式が違うので不便をします。たとえば中国では、すっかりキャッシュレス化が進んでいますが、中国国内の決済ネットワークである「中国銀聯」ブランドのクレジットカードを持っていないと支払いができないこともあります。

 たとえば、地下鉄などで使える交通ICカードへのチャージでも現金を使えるチャージ機が少なく、クレジットカードも「銀聯」カードがしか使えないことがあります。それで、僕は中国に行く時のためにわざわざ「銀聯」カードを作ってあるのですが、7月に予定されていた「EAFF E-1選手権大会」も、9月の杭州アジア大会も、さらに来年のアジアカップも新型コロナウイルスのせいですべて中止になってしまったので、せっかくの「銀聯」カードも出番がなくなってしまいました。

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