■鎌田は今オフの動向が注目される

 徹底したマンマークは、マークされる側だけでなくマーカーも試合から取り除かれる。鎌田は、相手にとってそうする価値がある、それほど警戒される存在にまでなったということだ。試合に出られない苦しい時期もあったが、この大一番で受けた対応が、その位置の選手にまで上り詰めたことを表していた。ELを制したフランクフルトはCLの出場権も獲得しており、フランクフルトの絶対的な存在としてCLに挑むのか、それとも新たな挑戦へ旅立つのか、今オフの動向が注目される。

 長谷部は、緊急出場ながらしっかりとチーム全体を整え、90分にセバスティアン・ローデがピッチを去るとキャプテンも務めた。コーチ就任まで含めた契約(※引退時期は決められていない)を結んだ彼は試合に出場することも減り、プレーヤーとしてのキャリアは終わりが近づいているが、その遍歴の中で最も長くプレーするフランクフルトでのビッグタイトル獲得時に重要な役割を果たし、キャプテンとしてピッチに立つという巡りあわせに恵まれた。

 スタジアムの半分を白く染めたサポーターたちと喜びを分かち合う彼らの表情には、喜びだけでなく、ここまでの歩みが結実した安堵があった。

 

■試合結果

アイントラハト・フランクフルト 1-1 レンジャーズ

PK戦 5-4

フランクフルトが優勝

 

■得点

57分 ジョゼフ・アヨデレ=アリボ(レンジャーズ)

69分 ラファエル・サントス・ボレ(フランクフルト)

  1. 1
  2. 2
  3. 3