■試合後にはチャントを熱唱
試合後、堤理事長がその横断幕の前に立ってサポーターに感謝の言葉を述べた。さらに、熱狂的なサポーターを自負する堤理事長は、トラメガを手にチャントを歌い始めたのだ。
現在、Jリーグでは声出しの応援が許可されていないため、サポーターはそれに乗って歌うことができない。歌ったのは、堤理事長は一人だけ。体でリズムを取りながら歌う姿は、チームを愛する気持ちにあふれていた。だからこそ、サポーターも声を出せずともそのリズムに共鳴した。そこにあったのは、スポンサーやサポーターという立場の違いや、応援する場所の違いなどはいっさい関係のない、あふれ出る純粋な「フロンターレ愛」だった。
Jリーグでは地域密着を大きく掲げるが、川崎はそれを地で行くクラブだ。こうしたスポンサー企業がいること、そしてそれにサポーターが共鳴し共闘できることは、Jリーグの理想の形でもある。川崎がリーグ王者であるその下支えは、この地域密着にある。