■5月18日/明治安田生命J1第節 川崎フロンターレ ー ヴィッセル神戸(ノエスタ)
川崎フロンターレが劇的な勝利で勝ち点3をゲット。消化試合が1試合多かった鹿島アントラーズを勝ち点で上回り、首位の座を奪還した。
試合終了まであと50秒だった。川崎が敵地で得た右コーナーキック。キッカーを務めたのは、85分に入ったばかりの小塚和季。神戸サポーターに囲まれながら蹴ったボールはニアに入り込んだ谷口彰悟の頭にピタリ。最後の最後でスコアを動かしたのだ。
コーナーキックの瞬間、谷口はよどみなく相手守備陣の前に走り込んだ。「あの場面は何がなんでも、どうにかしてでも1点が欲しかったので、信じて飛び込んだ」という動きが、相手の堅守をこじ開けた。「相手の引いたブロックを崩すチャンスを作れなかった」(谷口)だけに、セットプレーは活路になった。
3試合連続で同じスタメンで臨んだ一戦、コーナーキックからセンターバックが得点を奪うのはこれが2試合連続だ。前節・福岡戦では車屋紳太郎が試合の流れを決定づける追加点を奪った。そして今節は谷口が決勝弾。リーグ戦ではこれが4試合連続の完封勝利で、2人が攻守に活躍している。
この日行われたリーグ戦は、この試合も含めた2試合だけ。チームは連戦を強いられており、前半からなかなかチャンスを決められない中で、後半立ち上がりには神戸に際どい場面を何度も作られた。チャンスを逃す神戸サポーターのため息が拍手へと変わり、流れをホームチームに手繰り寄せようとした。それでも、もっと過酷なマレーシアで6連戦を戦い抜いたチームにとっては関係なかった。