■消えないスーパーリーグ構想
昨年4月、12のビッグクラブで発足が発表され、UEFA、国際サッカー連盟(FIFA)だけでなく世界中のサッカーファンから嵐のような反対を受けてわずか48時間で「沈没」した欧州スーパーリーグ構想。しかしその動きは水面下でその後も続き、多くの専門家が「いずれ誕生するのは避けられない」と見ている。
UEFAによる今回のUEFAチャンピオンズリーグ改革案は、スーパーリーグを結成して強豪同士の対戦だけを増やしたいというビッグクラブの動きにブレーキをかけようという意味合いもあるのだが、この「改革」ではビッグクラブは当然満足しないだろう。もしかすると、新方式は、スーパーリーグ結成の動きを加速させる結果になるかもしれない。
ひとつ明白なのは、UEFAとその傘下にあるリーグ、クラブがさらに「金満化」を増すということだ。UEFAチャンピオンズリーグによって直接的に大きな利益を得るクラブは、欧州の全プロクラブからするとごく少数だが、UEFAはチャンピオンズリーグを中心に得られる収益を加盟55か国の協会に助成金などとしてばらまき、中小国のサッカー振興に務めている。