「公平性」より「カネ」を選んだチャンピオンズリーグ【欧州はなぜ世界のサッカーに責任をもとうとしないのか】(2)の画像
ヨーロッパのサッカーは盛り上がりを増すばかりだが… 撮影/渡辺航滋(Sony α1使用)

 サッカーの世界は膨張を続けている。ヒエラルキーの頂点に立つ者たちは、強欲に世界中から搾取を続ける。その姿勢は正しいものなのか、サッカージャーナリスト・大住良之が問いかける。

■チェス発祥の「スイス方式」

 欧州のサッカーを統括する欧州サッカー連盟(UEFA)は、最近、UEFAチャンピオンズリーグなど欧州の3つの大会の「改革」案を承認した。出場クラブを増やしたうえに試合方式を変え、試合数を飛躍的に増やす。「グループリーグ」をなくし、出場36クラブが「スイス方式」と呼ばれる大会システムでそれぞれ10試合を行い、順位を決めるという。2024/25シーズンから導入するという。

 スイス方式とは、競技者(チーム)数が多すぎて総当たりが不可能な大会で、しかも1試合負けたら終わりという「ノックアウト式」にしたくないときに考案された方法で、それぞれが決められた相手と一定数の試合をして順位を決める方式らしい。サッカーの大会の思想ではない。チェスの大会で考え出されたものだという。

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