ロシア軍の前身は共産党時代(ソ連時代)の「赤軍」です。

 考えてみれば、共産党が指導する「赤軍」の最初の任務は1917年10月(ロシア暦、現代の暦では11月)のロシア革命の後、反対派との内戦に勝利することでした。そして、ソビエト政権が樹立された後は、国内の反体制派を鎮圧・弾圧することが最大の任務となりました。だから、今でもロシア軍は反体制派の取り締まりや群衆警備はうまくても、対外戦争は苦手なのでしょう。

イタリア代表がNYで多く戦った理由

 ワールドカップやオリンピックのような大きな大会に行くと、各国の警察や軍隊と遭遇することも多く、それぞれのお国柄も見えてきます。

 これまでの経験で、最も戦闘能力が高かったのは1994年のアメリカ・ワールドカップの時のニューヨーク市警察でした。

 ニューヨーク(正確に言えば、ハドソン川を渡ったニュージャージー州イーストラザフォード)では、イタリアが準決勝を含めて3試合を行いました。なぜかといえば、ニューヨークには多くのイタリア系アメリカ人が住んでいたからです。

 当時の北アメリカではサッカー人気はあまり高くなかったので、イタリア系の人たちを動員したかったのでしょう。同様に、たとえばドイツ代表はドイツ系が多いシカゴで3試合を戦っています。もしも「ドーハの悲劇」が起こらず、ハンス・オフト監督の日本代表がアメリカ・ワールドカップに出場できていたとしたら、きっと日系人が多いカリフォルニア州で戦っていたことでしょう。

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