後藤健生の「蹴球放浪記」第110回「日本人記者団、強引に警備を突破する」の巻(1)「イタリア系」と本家イタリアのコントラストの画像
1999年ワールドユースでのカノでのナイジェリア対アイルランド戦のミックスゾーン・チケット 提供/後藤健生

 平和に越したことはないが、非日常のスタジアムは荒れることもある。そのために警備員が配置されているのだが、スタジアム、あるいは国によって、その力はさまざま。サッカージャーナリスト・後藤健生は、体を張ってアメリカ大陸やアフリカで、スタジアムの「警備力」を計測してきた。

■ロシア軍の得手・不得手

 ウクライナ戦争でロシア軍は相当に苦戦しているようです。数日で実現できると思っていた首都キーウの占領に失敗。東部地域でもウクライナ軍の抵抗に遭って一進一退が続き、多くのロシア兵が命を落としています。世界有数の軍事大国だと思っていたのに、ロシア軍は実はそれほど強くないということがバレてしまったようです(ただ、核兵器を持っているから怖いことは怖いのですが……)。

 今から4年前の2018年にはロシアでワールドカップが開かれました。会場には警備のために、警察だけではなく、ロシア軍も多数配置されており、入場口の警備や案内にもロシア兵が立っていました。そして、彼らはすこぶる優秀で、会場の警備はかつてないほどスムースだったように感じました。

 どうやら戦争は苦手でも、「群衆の警備」に関してはロシア軍は優秀なようです。

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