■勝ちに行った試合で大敗を喫したマジョルカ
69分にはホルヘ・モリーナに決められて2-4となると、78分にはミルト・ウズニにダメ押しの5点目を奪われて終戦。残留を後押ししようと普段以上に集まったサポーターは愛想をつかせたかのように続々と帰路につき、少数のグラナダサポーターがマフラーを広げて意気揚々と歌い続ける中、久保は85分に交代となった。
試合は90分にモリーナに再びゴールを決められ、大ブーイングと共に2-6で終了した。
マジョルカは勝ちに行った試合で大敗を喫し、順位表でグラナダの下に位置することになった。リーガの順位決定方法は、勝ち点の次に当該チーム間の勝ち点、当該チーム間での得失点差、全体での得失点差、という順番になっている。今季グラナダに2敗を喫したマジョルカは、最終的に勝ち点で並んでも上回ることができない。
リスクを負って勝ちに行く、という目標のために白羽の矢が立った久保だったが、同点ゴールの場面には絡んだものの、先制のチャンスを逸して相手に先制を許し、ボールロストから直ちに守備に復帰する姿を見せずにチームが3失点目を喫し、と結果的に悪い印象が大きく上回ることになってしまった。
リスクを負って失敗したアギーレ監督は、残り3試合をどうマネジメントするだろうか。おそらくは、大差で勝たなければならない、という状況に陥らない限り、まずはリスクを負う時間を最低限にとどめるこれまでのやり方に戻るだろう。マフェオとコスタの両サイドがクロスを上げて、ムリキやニーニョが競り勝てるかどうか、というやり方に。
そこには戦術的に久保の居場所はない。残留のために、久保は限られた状況と限られた時間で何ができるのか。この日の悪い印象を払拭し、前回は降格させてしまったサポーターたちと良い形で別れを迎えたいところだが、その実現はかつてない困難を極めそうだ。
■試合結果
マジョルカ 2―6 グラナダ
■得点
6分 ルイス・スアレス(グラナダ)
28分 サルバ・セビージャ(マジョルカ)
46分 セルヒオ・エスクデロ(グラナダ)
55分 アントニオ・プエルタス(グラナダ)
58分 アントニオ・ライージョ(マジョルカ)
69分 ホルヘ・モリーナ(グラナダ)
78分 ミルト・ウズニ(グラナダ)
90分 ホルヘ・モリーナ(グラナダ)