■左サイドのビール腹
そんな中でとくに目についたのは、ドイツの左サイドを走り続けている選手でした。本当によく走ります。しかも、太っているのです。いわゆる「ビール腹」というやつです。しかし、そんな太ったおじさんが上下動を繰り返し、時間が経っても運動量は一向に衰える気配がありません。
「あれは誰だろう?」と思ってみていたら、この選手がゴールを決めたので場内アナウンスがありました。それは、アンドレアス・ブレーメでした。1986年のメキシコ・ワールドカップと1990年のイタリア・ワールドカップに出場していた、サイドアタッカーもしくはサイドバックです。
なるほど、ブレーメであれば走り続けていても不思議はありません。
しかも、調べてみたら1960年11月生まれだったのでこの試合の時は39歳になる直前。現役引退から1年半ほどです。「それなのにあんなに太ってしまったのか!」というのが第1の驚き。そして、「あんなに太ってしまったのに、あんなに走れるのか!」というのが第2の驚きでした。
ちなみに、ソ連OBのGKはリナト・ダサエフでした。ダサエフはロシア南部、カザフスタンとの国境にも近いアストラハン生まれですが、イスラム教徒でカザフ系だそうで、カザフスタンでは英雄視されているということでした。