■流れを変えるに値するビッグプレー
レアル・マドリードの優勝が早々に確定状態だったリーガと、マンチェスター・シティとリバプールが最終節までデッドヒートを繰り広げることになりそうなプレミアリーグ。その違いは、前半の力関係に大きな影響を及ぼした。
ビジャレアルはこの試合に向けて週末はターンオーバーを行ったが、リバプールはそうすることができず。疲労の色が濃いリバプールはビジャレアルのプレスや人数をかけた攻撃に苦戦するだけでなく、自分たちでパスの精度を欠きボールを失う場面も目立ってしまった。
勢いが落ちないビジャレアルに押され続けるリバプールだったが、流れを変えるに値するビッグプレーが飛び出す。
37分、ビジャレアルは中央を抜け出してゴールキーパーのアリソン・ベッカーをかわそうとしたジオバニ・ロ・チェルソが倒されるが笛は吹かれず。ロ・チェルソが先んじてボールをコントロールしていたが、アリソンもそれに反応してボールに触っており、これが流れを変えるビッグセーブとなるはずだった。
ところが、ビジャレアルはそれによって勢いを失わないどころかさらに強気になり、41分にはとうとう同点に。
右サイドに開いてロングボールを受けたカプエが対峙したアンドリュー・ロバートソンを切り返しでずらしてクロスを入れると、最奥からフランシス・コクランがトレント・アレクサンダー=アーノルドの前に飛び込みヘディングで決めてみせた。
3ラインの4-4-2が基本のビジャレアルは、2ゴールともカプエが前線に飛び出てアシスト。カプエはセントラルミッドフィルダーであり、それだけでいかに運動量豊富に数的優位を作り続けていたかがわかる。
早い時間でのゴール、前半のうちでの同点、と大逆転の要素を満たしたビジャレアルが試合はトータルスコアで2-2として後半を迎えた。