【J1考察】ワールドカップが示す「縁」!Jリーグを変えていくスペイン人指導者【FC東京と浦和レッズのスコアレスドローが「激熱」になった理由】(3)の画像
交代した松木玖生と握手するアルベル監督。スペイン人指導者がJリーグを変えていくか 撮影:中地拓也

 J1リーグ第8節には、注目カードが複数あった。その中でも異色だったのがFC東京浦和レッズの対戦だ。結果はスコアレスドローだったが、内容は熱戦だった。見どころ満載の一戦となった理由を、サッカージャーナリスト・後藤健生がひも解く。

■完成度が高まらない浦和

 こうして、90分にわたって(アディショナルタイムを含めれば96分以上)激しい攻防を繰り広げた試合ではあったが、結局はスコアレスドロー。

 やはり、両チームともに完成度は低いと言わざるを得なかった。

 浦和のリカルド・ロドリゲス監督は就任2年目のシーズンなのだから、もう少し完成度が上がっていないといけないのだが、狙いの形を実行できる回数が少なすぎる。うまくつながった時には素晴らしいサッカーができるのだが、それが90分コンスタントに続かないし、試合によって出来がかなり違うのだ。

 2年経っても、まだ完成度が高まらない理由は次々と選手が代わり、それに伴って選手の配置も猫の目のように変わるからだ。

 この日の先発11人を見ても、ロドリゲス監督就任以前から浦和でプレーしていた選手はGKの西川周作とDFの岩波拓也、MFの柴戸海の3人だけなのだ。そして、今シーズンに入ってからもダヴィド・モーベルグやアレックス・シャルクがチームに加わっている。

 それだけに、選手の配置もどんどん変化。たとえばFC東京戦で左サイドバックに入った明本考浩はマルチ・プレーヤーであり、前線のポジションでプレーすることも多い。つまり、チームの枝葉だけではなく、中心軸さえも固定されていないのだ。

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