今後、モーベルグやシャルクの出番も増えていくだろうから、周囲の選手の配置もまた変わってくるはず。おそらく、ロドリゲス監督の下ではメンバーが固定されることは永遠にないのだろう。
メンバーが試合のたびに変化しながら、どんなメンバー構成で戦っても同じようなレベルのパフォーマンスが出せる。それが、ロドリゲス監督が考える「完成形」なのだろう。
もしもそんなチームが出来上がったら、相手にとっては非常に厄介であり、また見ていてとても面白いチームになるのだろうが、完成にかなりの時間がかかりそうだ。
■浦和と対照的なアルベル監督のチーム作り
「チーム作り」という意味では、アルベル監督のやり方は対照的だ。
FC東京の方のメンバーを見ると、浦和とは違って新加入選手の方が少数派なのだ。
今シーズン新たに加わった選手は、GKのヤクブ・スウォビィクとDFのエンリケ・トレヴィザン、それに高校出の新人、松木玖生の3人だけ。この日の前線の3人は永井とディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトンと昨年までの長谷川健太監督時代と同じような顔触れである(ただし、前にも述べたように永井は右サイドで起用された)。中盤の青木拓矢をアンカーに置いたが形は昨シーズンまでもあった形だ(ただし、新人の松木を入れて、安部柊斗は右サイドを担当)。
メンバー的には大きな変化はないが、戦い方のコンセプトは大きく変えようというのがアルベル監督のやり方なのだ。
つまり、昨年までの「堅守速攻」ではなく、ボールをつなごうというのがアルベル監督のFC東京。前線にボールをつないだら、2列目の選手が参加してパスコースを増やして攻めようという意識はすでにはっきりしている。しかも、昨年も一緒にプレーしている選手が多いので、戦い方は変わっても互いのプレーについては熟知しているので、比較的早く完成度を上げることができるはずだ。