■華やかな時代を彷彿させた外国籍選手たち
こうした指導者同士の対抗心が反映されたのであろうか、この試合では両チームに所属する外国籍選手たちがとても熱くなっていたのが興味深かった。
FC東京にはアルベル監督就任以前から在籍するディエゴ・オリヴェイラやアダイウトン、レアンドロが在籍しており、今シーズンからエンリケ・トレヴィザンが加わってブラジル人選手が4人となった。そして、そこにポーランド代表歴を持つGKのヤクブ・スウォビィックが加入している。
一方の浦和は、歴史的に多くの国籍の選手が在籍したことがあるクラブだが、ロドリゲス監督が就任した昨シーズンにはキャスパー・ユンカーとアレクサンダー・ショルツと、ともにデンマーク国籍の選手が入団。そして、今シーズンはスウェーデン人のダヴィド・モーベルグ、オランダ人のアレックス・シャルクが加わった。スペイン人監督の下に北欧系の選手を揃えるという面白い編成である。
その両チームの外国籍選手たちが監督同士の対抗心を受け止めたかのように熱い気持ちを前面に出して戦い、外国籍選手同士がにらみ合う場面が何度も見られた。
古い話で恐縮だが、1990年代にJリーグが開幕した当時、Jクラブの財政規模はヨーロッパと大差なかったため、現役のブラジル代表選手が何人もJリーグでプレーしていたものだ。
そんな時代に、たとえば鹿島アントラーズと横浜フリューゲルスが対戦すると、両チームのブラジル代表選手たちが対抗意識をむき出しにして戦って、毎試合のように熱い戦いを繰り広げられたものだ。FC東京と浦和レッズの外国籍選手たちが見せた激しいプレーを見ていて、そんな古い時代のことまで思いだしてしまった。