【J2で起きた「不運」】「再試合」も…“競技規則適用ミス疑惑”に見舞われたクラモフスキー山形、19位に沈むクラブの「低迷のワケ」【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
ピーター・クラモフスキー監督(山形)   写真:YUTAKA/アフロスポーツ

■山形GKへの退場処分は妥当なのか? 

 物議をかもすジャッジがあった。4月3日に行なわれたモンテディオ山形ファジアーノ岡山戦のワンプレーだ。

 相手のプレスを受けながら自陣でボールを動かす山形は、右SBから中央へ立ち位置を変えていた半田陸が、GK後藤雅明へバックパスをする。これがゴールを空けていた後藤のポジションとズレてしまい、ボールは無人のゴールへ転がっていく。後藤がダイビングしながら必死に掻き出してオウンゴールを免れたものの、ここで清水修平主審がホイッスルを吹く。

 バックパスを手で扱ってしまったのだから、反則を取られるのはしかたがない。議論を呼んだのは後藤へのレッドカードだった。競技規則によると、このようなケースでは「懲戒の罰則は与えられない」とある。後藤が退場する必要はなかったということだ。

 10分過ぎから10人での戦いを強いられた山形は、それでも互角以上の攻防を繰り広げていった。しかし、後半アディショナルタイムの失点で0対1の敗戦を喫した。クラブ側は公式ツイッターに、「リーグ側に質問及び確認をお願いしています」との投稿をした。Jリーグの判断次第では、再試合になるかもしれない。

 ピーター・クラモフスキー監督が就任2年目を迎えた山形は、ボールを大切にしながら自分たちからアクションを起こすスタイルを確立している。自陣からビルドアップしていくパスワークは魅力あるものだが、ここまで1勝3分4敗と結果に結びつけることができていない。4節のヴァンフォーレ甲府戦、6節の東京ヴェルディ戦は後半アディショナルタイムの失点で追いつかれ、勝利を逃してしまった。今節もアディショナルタイムの失点である。岡山戦の判定は不運と言うしかないが、ピッチ上でのパフォーマンスの改善も急がれる。

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