■4月10日/明治安田生命J1第8節 FC東京―浦和レッズ(味の素)
試合後の味の素スタジアムは、サポーターの不満が充満していた。浦和レッズの選手がアウェイサポーター席へとあいさつに訪れると、3戦未勝利に対するやるせない気持ちが、言葉やブーイングとなって浴びせられた。そんなサポーターに対し、手を使って応えようとしたのが、リカルド・ロドリゲス監督とアレックス・シャルクだった。
シャルクは、この試合がJリーグデビュー戦となった。3月25日に移籍加入が発表されたオランダ人FWは、81分にピッチに入った。小泉佳穂と変わって出場したシャルクは、最前線に立つユンカーと縦関係を取ると、ユンカーの落としを受けてペナルティエリア内に侵入。ゴール前に入ったユンカーに向けて右足のクロスを送ってみせた。これは相手DFにはね返されたものの、ピッチでいきなり積極性を見せたのだった。
その後、守備時に相手選手に体を強く寄せながらボールを奪おうとするなど、熱いプレーも披露。ボール保持に移れば、味方選手に何度もボールを要求するなど、初出場とは思えぬ積極性だった。
この試合でシャルクが放ったシュートは2本。特に92分のシュートは可能性を感じさせるもので、松尾佑介とのワンツーでペナルティエリア左側を縦に抜けると、細かいステップから強烈な左足シュート。安部柊斗が体を投げ出したことで、ヤクブ・スウォビィクにキャッチされたものの、スコアを動かしてもおかしくない場面だった。