期待される大迫勇也の「後継者候補」上田綺世の起用と旗手怜央による「2大勢力ユニット」の融合【ワールドカップ予選最終戦の活用は、日本代表の本大会への第一歩】(4)の画像
「鍵」を握るのは旗手か 撮影/中地拓也

 サッカー日本代表は7大会連続のワールドカップ出場を決めた。苦戦した時期もあったが、終わってみれば1試合を残しての予選突破となった。
 早くも、視線は本大会へと切り替えなければならない。その第一歩となる29日のベトナム代表戦の活用法をサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■ロングボールを使う問題点

 大迫勇也不在のオーストラリア戦。森保一監督は大迫の代役に浅野拓磨を指名した。浅野は森保監督がサンフレッチェ広島時代からともに戦った関係にあり、代表でも何度も起用してきた選手だ。やはり、森保監督にとっては信頼を置ける選手なのだろう。

「大迫の代役」とはいえ、大迫と浅野ではまったくスタイルは違う。そして、オーストラリア戦では周囲の選手たちも、浅野の特徴を意識して深い位置にロングボールを蹴り込んで、浅野の長い距離でのスピードあるランニングを生かした。この浅野の動きは相手の守備ラインを押し下げる効果もあり、また、相手DFの疲労を蓄積させて終盤での得点の布石としても機能した。

 ただ、浅野があまりにも簡単に裏を取れてしまったために、ロングボールを蹴り込む回数が増えてしまったことと、裏を取れた場面で周囲がどう連携するかの約束事が徹底されていなかったことが問題だった。

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