サッカー日本代表は7大会連続のワールドカップ出場を決めた。苦戦した時期もあったが、終わってみれば1試合を残しての予選突破となった。
早くも、視線は本大会へと切り替えなければならない。その第一歩となる29日のベトナム代表戦の活用法をサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■大一番での「完勝」
3月24日のオーストラリア戦は「完勝」と言ってもよい内容だった。
キックオフ直後からチャンスを作り、サイドからの攻撃。サイドバックの積極的な攻撃参加。MF3人による中盤でのボール支配。ボールを失った後のトランジションと狙い通りに戦えた。前線の浅野拓磨もスピードを生かして相手守備ラインを押し下げた。もちろん、オーストラリアにも前半は何度かカウンターからチャンスが生まれたが、吉田麻也と板倉滉がしっかりと対応した結果、決定的な得点機は与えなかった。強いて言うなら、本当にゴールを脅かされたのは25分にCKからのボールを押し込まれ、オーストラリアにファウルがあって得点が認められなかった場面だけだ。
そして、後半に入るとより確実にボールをつないで日本が攻撃を続け、最後はオーストラリアに疲労の色が濃くなり、オーストラリアはパワープレーを繰り出すこともできず、交代で入ったフレッシュな三笘薫の2得点で劇的な勝利となった……。