■空港で追加書類を求められた
筆者は偶然、ある選手と同じ便でオーストラリア入りした。今後の警備にかかわるため出発した空港や選手の名前は伏せるが、コロナ禍での移動の大変さは代表選手であっても変わらないことを目の当たりにした。
オーストラリア入りした際、コロナにかかわる書類を追加で記入させられるなど、便が到着してからかなりの時間がかかっていた。筆者も同じく別のことで時間を要したために目の当たりにしたのだ。
すでに預けた荷物はレーンに出ており、それを付き添っていた協会幹部が持って待っていた。コロナ禍の中での移動の過酷さは、試合前から選手に負担を与えていた。
今回の大一番は、オーストラリア代表選手が複数名離脱したことなどで楽観論もあったが、現場ではけっしてそんなことはなかった。大雨、観客、コロナ禍での移動の負担など、いくつもの障壁を乗り越えて掴んだものだった。ピッチに立った選手だけでなく、それ以外の選手、そして協会スタッフ全員で掴んだ白星であり、W杯出場権だったのだ。