■3月24日/ワールドカップ アジア最終予選 オーストラリア 0-2 日本(シドニー)
アウェイで行われたオーストラリアとの大一番で、プレーではもちろん、精神的支柱としてもチームを支えたのが主将・吉田麻也だ。勝てばW杯出場権獲得というプレッシャーの中で、視界が悪くなるほどの大雨や4万人を超すオーストラリアサポーターの大観衆が日本代表にさらに圧をかけたが、ピッチの上での吉田の存在感はすさまじかった。大雨に打たれたウォーミングアップの時点から声を出して他の選手を鼓舞し、チームを一体化させていた。
三笘薫の劇的なゴールで2-0と勝利した日本代表は、試合後、サポーター席の前で喜びを爆発させた。その後、一度選手はスタジアム内に戻ったものの、しばらくして吉田が戻ってくると、サポーターに近づいていく。そこにいたのは、元日本代表の田代有三氏だ。吉田は田代を話すと記念撮影。さらに、来ていたユニフォームを脱いで渡したのだ。
田代氏は現在オーストラリアに住んでいる。この試合に向けた日本代表の練習がシドニー郊外で行われたのだが、その際、在シドニーの日本人の子どもたち約120人とともに駆け付けるなど、チームの応援とサポートに尽力していた。そんな田代氏へのあいさつのために、吉田は出てきたのだ。